シフト管理公開: 2026年8月25日10分で読めます

美容室のシフトの組み方|公休から埋める順番と手直しのコツ

#シフト作成#シフトの組み方#美容室#シフト管理
目次

シフト作成が重いのは、一つひとつの判断が難しいからではありません。埋める順番を間違えると、埋めたそばから崩れるからです。出勤を先に並べてから休みを入れようとすると、公休の日数が足りない人が出てくる。そこを直せば、今度は出勤人数が割れる。堂々巡りになります。じつは、この順番には答えがあります。制約のきつい条件から先に置く、というだけの話です。

POINTこの記事のポイント

  • 埋める順番は「希望 → 公休 → レジを開け閉めできる人 → 出勤人数 → 早番・遅番のバランス」
  • 公休を先に埋めるのは、人ごとの日数という動かせない総量があるから
  • レジを任せられる人は候補が少ないので、一般のスタッフより先に置く
  • 早番・遅番のバランスは「日ごと」と「一人あたり月単位」の2つを同時に見る
  • 土日の休みの上限は、埋め始める前に決めておく
  • 順番と基準が決まっていれば、誰が組んでも同じ形になる

01.迷うのは「休みが先か、出勤が先か」

シフトを組み慣れた人でも、ここで手が止まります。カレンダーを開いて、まず休みの×を置くのか、それとも出勤の早番・遅番を並べるのか。どちらからでも一応は形になるので、なんとなくの順番で毎月やっている、という方も多いはずです。

結論から書きます。休みが先です。

理由は、公休には「一人あたり月に何日」という総量が決まっているからです。役職によって6日の人と8日の人がいる、といった形で人ごとに違いますが、いずれにせよ動かせません。一方で出勤は、休みを置いた残りに入っていきます。動かせる幅が大きいのは出勤のほうです。幅の小さいものから先に置く。順番の理屈は、これだけです。

逆にやるとどうなるか。出勤を気持ちよく並べたあとで公休を入れようとすると、ある人だけ残りのマスが5日しかない、といった事態になります。足りないぶんは、すでに埋めた出勤を崩して作るしかありません。手戻りの正体はこれです。

02.埋める順番

実際に手を動かす順番に並べると、次の6段階になります。上から順に、条件のきついものから緩いものへ降りていく形です。

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    本人が出した希望を先に置く

    希望休や、この日は早番がいいといった申告を、先にカレンダーへ入れてしまいます。ここは動かさない前提の場所なので、いちばん最初に固定します。あとから「実は希望が出ていた」と分かって崩すのが、いちばん痛い手戻りです。

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    公休を、一人ずつ日数に届くまで埋める

    月8日なら8日になるまで、×を置いていきます。このとき、特定の日に休みが集中しないよう散らします。誰か一人を先に満額にしてから次の人へ移ると、後半の人の休みが空いている日に押し込まれて偏るので、全員を少しずつ進めるほうが崩れません。

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    レジを開け閉めできる人を、先に各日へ置く

    レジを任せられる人は限られます。店を開ける人を早番、閉める人を遅番に置いて、まず各日にその2人を確保します。ここを後回しにすると、組み上がってから「この日は閉められる人がいない」と分かり、せっかく整えたシフトを崩すことになります。

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    1日ごとの出勤人数を満たす

    その日に最低何人いなければ回らないか、という人数を満たしていきます。スタッフが9人で最低出勤が5人なら、どの日も5人以上になるまで空きマスを出勤で埋めます。ここまでで「営業できる形」にはなります。

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    日ごとの早番・遅番をそろえる

    同じ日の中で、早番と遅番の人数が偏らないようにします。5人出勤の日に早番が4人で遅番が1人では、夕方が回りません。1人差までに収めるのが目安です。

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    一人あたりの月の偏りを直す

    最後に、人ごとの早番・遅番の回数を見ます。遅番が3回多い人がいれば、空きマスが残っていればそこへ早番を入れ、残っていなければ、すでに遅番で埋まっている日を早番に振り替えて帳尻を合わせます。

なお、シフト表の上では早番をA、遅番をB、朝から晩まで通す終日をFと書くことがよくあります。記号は店舗によって違うので、この記事では早番・遅番のまま通します。

03.早番・遅番のバランスは2つある

手順の5番目と6番目を分けて書いたのには理由があります。早番・遅番のバランスという言葉は、まったく別の2つのことを指しているからです。

見るもの崩れたときに起きること
日ごとのバランスその日の早番と遅番の人数夕方や朝の時間帯に人がいない
一人あたりのバランスその人の月の早番回数と遅番回数遅番ばかりの人が生まれて不満が出る
同じ「バランス」でも見ている単位が違う

やっかいなのは、この2つが同時に成立しないと意味がない点です。日ごとをきれいにそろえると、そのしわ寄せで特定の人に遅番が集まる。人ごとをそろえにいくと、今度はどこかの日で早番と遅番の人数が崩れる。片方だけを見ている限り、もう片方は必ずどこかで壊れます。

手直しのやり方は2段構えです。まず、空いているマスがあるならそこへ足りないほうを入れます。これで済むなら、すでに決まっている日には触らずに済みます。空きが残っていないなら、埋まっているマスを入れ替えます。このとき入れ替える相手は、その勤務がいちばん多い人から選びます。多い人から減らすほうが、少ない手数で全体が平らになるからです。

レジ担当を先に置いたぶん、後で使える手は減っている

ここで、手順の3番目が効いてきます。レジを開ける人と閉める人は、先に早番と遅番へ振り分けてあります。この2人は、あとから動かせません。動かせば開け閉めが崩れるからです。

つまり、日ごとと一人あたりのバランスは、レジ担当を除いた残りの人だけで取ることになります。5人出勤の日でも、実際に振り替えられるのは3人かもしれない。条件をひとつ先に固定するたびに、後段で使える手はこうして減っていきます。シフト作成が「1か所直すと別の日が崩れる」作業になるのは、この積み重ねが理由です。

だからこそ、順番が効きます。候補が少ない条件を先に置き、自由の利く条件を後に回す。逆にすると、後半で身動きが取れなくなって最初からやり直しになります。

ただし、置き方ひとつで自由度が戻る場面もあります。その日に終日で入る人がレジを使えるなら、開けも閉めもその人でまかなえます。早番と遅番に1人ずつ立てる必要がなく、レジ担当をもう1人押さえずに済む。1枚のマスで2つの条件が片づく形です。

逆から見れば、レジを任せられる人がその日1人しかいなくても、その人を終日にすれば成立します。早番と遅番のどちらかを諦める必要はありません。人数の薄い日ほど、この置き方が効いてきます。

04.土日の休みは、埋め始める前に上限を決める

美容室では土日が最も忙しく、そして誰もが休みたい日でもあります。ここを成り行きに任せると、あとから必ずもめます。

先に決めておきたいのは、次の3つです。

  • 土日に休めるのは月に何日までか
  • その日数に有給を含めるか、公休だけで数えるか
  • 祝日を土日と同じ扱いにするか、別に考えるか

たとえば「土日に休めるのは、公休と有給を合わせて月2日まで。祝日は別枠」という決め方があります。数字そのものは店舗の事情で変わって構いません。大事なのは、埋め始める前に決まっていることです。

あとから気づいて直すと、被害が大きくなります。土日に休みすぎている人を見つけて1日を出勤に振り替えると、その人の公休が1日足りなくなる。足りないぶんを平日に置けば、その日の出勤人数が割れる。1か所の修正が3か所に波及します。手順の2番目で公休を置いている最中に、この上限を見ながら置く。それが唯一、手戻りの出ない方法です。

05.「意図的に組んでいる」と見えることが火種になる

遅番の回数が偏れば、当然ながら不満が出ます。ただ、現場でより厄介なのはそこではありません。組み方に誰かの意図が入っていると見えること、それ自体です。

組む人が自分の気の合う相手と同じ日に入るように寄せる。悪気なく、無意識にやってしまうことがあります。結果としてバランスは崩れますが、問題はそこだけではありません。「この人が組んでいるから、こうなっている」と思われた時点で、シフトそのものへの信用が落ちます。そして、その手の不満は組んだ本人には直接届きません。別のところでこぼれます。

では、休みの理由を全員に説明できるようにしておくべきかというと、そこまでは要りません。実際のところ、なぜこの人がこの日に休みなのかと面と向かって聞かれることは、まずありません。必要なのは、聞かれたときに「バランスを考えた結果です」と迷わず言えることです。そう言えない状態、つまり自分でも説明のつかない置き方をしている場所があること自体が、火種になります。

POINT順番を決めておくと、もうひとつ効くこと

順番と基準が文書になっていれば、組む人が代わっても同じ形のシフトが出てきます。店長が異動した、産休に入った、といったときに、シフトの傾向が変わって不満が出ることがあります。属人的な組み方をしていると、引き継いだ人が悪くなくても、変化そのものが不満として表れます。

06.相性の問題は、2つに分けて考える

誰と誰を同じ日にするか。組むときに、頭のどこかで考えている方は多いと思います。これは分けて扱うと整理がつきます。

技術や役割の組み合わせなら、条件として書き出せます。スタイリストとアシスタントの人数比、レジを任せられる人を毎日何人置くか、カラーやパーマなど担当できる人が限られる施術に対応できる人を確保する。これらは全部、その人が持っている資格や役割の情報として持てるので、条件に落とせます。

そうではない、人間関係としての相性はどうか。これは書き出さないほうがよいと考えています。誰と誰は合わない、という情報を残した時点で、それは記録になります。本人の目に触れたときのことを考えると、書けるものではありません。それに、そこまでして組み合わせを操作すること自体が、前の節で書いた「意図」そのものになってしまいます。

感情の部分は、むしろ組む人の判断が入らない形にするほうが収まります。決めた順番と条件どおりに機械的に並んだ結果であれば、誰かの采配ではないと分かるからです。

07.この順番は、そのまま設定にできる

ここまでの手順を毎月人の手でなぞるのは、率直に言って重い作業です。シフトパズルの自動割り当ては、この記事に書いた順番をそのまま実装したものです。条件を先に登録しておけば、あとはボタンを押すだけで同じ結果になります。

shift-puzzle.com/admin/beauty-schedule
月表示のシフト表。自動穴埋めのボタンと、早番・遅番・公休が入ったマス目が並んでいる
マス目の A は早番、B は遅番、F は終日です。条件を登録しておけば、空いているマスはこの順番どおりに埋まります。手で入れたマスと本人の希望は、そのまま残ります。

設定として持てるのは、次のような条件です。

条件内容
月の公休日数役職ごとに設定できます(店長は6日、一般は8日など)
最低出勤人数その日に最低何人出勤していれば回るか
早番・遅番の必要人数1日あたり、早番と遅番にそれぞれ何人必要か
土日・祝日の休みの上限月に何日までか。有給を数に含めるか、祝日を数えるかも選べます
レジ担当の確保早番と遅番のそれぞれに、レジを任せられる人を何人置くか。1人しかいない日は終日にして両方をまかないます
アシスタントの同日上限1日に入るアシスタントの人数の上限
メニュー別の必要人数カラーやパーマなど、担当できる人を毎日何人確保するか
自動割り当てが見ている条件

本人が出した希望と、手で入力したマスは上書きされません。手順の1番目にあたる部分は、そのまま守られます。

注意満たせない条件は、黙って無視されません

条件どうしがぶつかって成立しない日は、必ず理由つきで報告されます。たとえば「この日は早番を2人にできません」「この人の公休が7日までしか置けませんでした」といった形です。組んだあとに自分で数え直さなくても、足りない場所が分かります。逆に言えば、条件を厳しく設定しすぎると報告が増えます。そこは実際の運用に合わせて緩めてください。

08.まとめ

シフトを組む順番は、動かせる幅の小さい条件から先に置く、という一本の考え方で決まります。希望を固定し、公休を人ごとの日数まで置き、レジを開け閉めできる人を確保し、出勤人数を満たし、日ごとの早番・遅番をそろえ、最後に一人あたりの偏りを直す。土日の休みの上限だけは、埋め始める前に決めておきます。

この順番を決めておくことには、時間を短くする以上の意味があります。誰が組んでも同じ形になることが、シフトへの信用を支えます。不満の多くは、偏りそのものより、そこに誰かの意図があると見えることから生まれます。

条件をどう書き出すかについては、美容室のシフト作成を自動化する方法でも扱っています。複数の店舗で人を融通している場合は、複数店舗の応援シフトの回し方もあわせてご覧ください。

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シフトパズル編集部

美容室向けシフト管理サービス「シフトパズル」の開発・運営チーム。シフト作成の自動化やサロンの労務管理に役立つ情報をお届けしています。

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